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物理学実験III テキスト

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物理学実験実験IIIテキスト_20211003.pdf

担当履歴

東北大学
年度 前期 後期
2003(H15) 物理学実験(1年)、物理学基礎実験(3年)
2004(H16) 物理学I(力学、1年) 物理学II(振動、波動、1年)、基礎物理学研究(3年)
2005(H17) 原子分子物理学(4年)、自然科学総合実験(1年) 基礎物理学研究(3年)
2006(H18) 原子分子物理学(4年)、自然科学総合実験(1年) 基礎物理学研究(3年)
2007(H19) 原子分子物理学(4年)、自然科学総合実験(1年) 基礎物理学研究(3年)
2008(H20) 原子分子物理学(4年)、光物性学特論(大学院) 基礎物理学研究(3年)
2009(H21) 原子分子物理学(4年)、自然科学総合実験(1年) 基礎物理学研究(3年)
2010(H22) 原子分子物理学(4年)、光物性学特論(大学院) 基礎物理学研究(3年)
2011(H23) 原子分子物理学(4年) 物理光学(3年)
2012(H24) 原子分子物理学(4年) 物理光学(3年)、光物性学特論(大学院)
2013(H25) 原子分子物理学(4年) 物理光学(3年)
2014(H26) 原子分子物理学(4年) 物理光学(3年)、光物性学特論(大学院)
2015(H27) 原子分子物理学(4年) 物理光学(3年)
2016(H28) 原子分子物理学(4年) 物理光学(3年)、光物性学特論(大学院)
2017(H29) 原子分子物理学(4年) 物理光学(3年)
2018(H30) 原子分子物理学(4年) 物理光学(3年)、光物性学特論(大学院)
2019(H31/R1) 原子分子物理学(4年) 物理光学(3年)
2020(R2) 原子分子物理学(4年) 物理光学(3年)、光物性学特論(大学院)
2021(R3) 原子分子物理学(4年) 物理光学(3年)
他大学非常勤講師
年度 講義場所 題目
2005(H17) 名古屋大学工学研究科応用物理学専攻 「フェムト秒分光の基礎と応用」
2007(H19) 東京工業大学理工学研究科物質科学専攻 「フェムト秒分光の基礎と応用」
2011(H23) 北海道大学理学部 「超高速分光の基礎と応用」
2012(H24) 東京大学本郷キャンパス 2012年度分子科学若手の会夏の学校
「時間分解赤外・テラヘルツ分光で捉える強相関電子系の超高速ダイナミクス」 など
2015(H27) 岡山大学大学院自然科学研究科(理) 物理学科特別講義Ⅳ
「単一サイクル赤外パルスで拓く強相関有機金属の瞬時強電場効果」
2017(H29) レンヌ第一大物理学科 集中講義
「Ultrafast optical spectroscopy of Photoinduced phase transition」
2019(R1) 熊本大学大学院理学研究科 理学特別講義A2 7月10日~7月12日
「極短パルスレーザーで見る・操る光と物質の相互作用」
千葉大学理学部物理学科 物性物理学特別講義 9月17日~9月20日
「極短パルスレーザーで見る・操る光と物質の相互作用」
東京大学大学院理学研究科 Advanced Physical Chemistry I(化学専攻) 10月18日
大阪大学大学院理学研究科 特別講義CII(物理学専攻) 12月16日~12月18日
「極短パルスレーザーで見る・操る光と物質の相互作用」

講義概要

物理光学(3年後期)

1. はじめに 光ってなに? 資料1
2. 波の性質と記述法 波の伝播、うなりとフーリエ展開、群速度と位相速度
マクスウェル方程式と波動方程式、偏光、ジョーンズ行列
資料1 資料2
3. 干渉 波面分割と振幅分割、薄膜の干渉(二光束干渉)
マイケルソン干渉計、ファブリーペロー干渉計、多層膜と特性行列
資料1 資料2
4. 回折 フレネルの理論と回折積分
フラウンフォーファー回折、光の結像と回折限界、回折格子
資料1
5. 反射と屈折 屈折の法則、スネルの法則、ブリュースター角
全反射(エバネッセント波)
資料1
6. 物質中の光の伝搬 電気双極子放射とレーリー散乱、誘電関数と光学定数
縦波と横波、ポラリトン、クラマースクローニッヒの関係
資料1 資料2
7. 物質の色と電子的性質 絶縁体(誘電体)と金属の光応答、発光ダイオード 資料1
8. レーザーとレーザー分光 反転分布と誘導放出、共振器構造における発振現象 資料1 資料2

原子分子物理学(4年前期)

0 導入:なぜ量子論が必要なのか?
  • 黒体輻射
  • Plankの輻射式
1-1 原子の構造
  • 光電効果、光の波動性と粒子性、物質波、Zeeman効果
  • 水素放電管、水素原子の構造
  • 光学遷移(時間に依存する摂動論)と選択則、電気双極子遷移
  • 多電子原子(Slater行列式、Hatree-Fock近似、Pauli原理、Hund則、スピン-軌道相互作用)
1-2 分子の構造と光スペクトル
  • Born-Oppenheimer近似
  • 原子価結合法(昇位、混成)
  • 分子軌道法(LCAOとSCF-MO、Huckel近似、結合軌道と半結合軌道、ベンゼンの電子状態、一次元固体とHOMO- LUMOギャップ)
1-3 低次元固体の電子状態
  • 自由電子近似とブロッホ状態
  • 強束縛近似と分子軌道法
  • 金属と絶縁体の電子状態
  • 色々な絶縁体;電子-格子相互作用と電子相関(Peierls転移とモット絶縁体)
2-1 分光実験の実際とその原理
  • 光源と測定方法(放電管、レーザー、分散型分光とフーリエ変換型、時間領域分光)
  • 電子スペクトルに対する原子の寄与(フランクコンドン原理、電子遷移、振動遷移)
  • 可視光域に存在する代表的な光学遷移;結晶場分裂とd-d遷移、イオン結晶と電荷移動遷移、有機物質と結合-反結合軌道遷移
  • 励起状態の緩和と発光、 レーザー(反転分布と誘導放出、共振器と縦モード、パルスレーザー)
2-2 光と物質(固体)の相互作用の基礎
  • 誘電関数と光学定数
  • 縦波とポラリトン
  • 線形応答理論とクラマース・クローニッヒの関係
2-3 非線形光学と超高速分光への導入
  • 非線形光学効果と波長変換
  • 極短パルスレーザーと超高速現象

光物性学特論(大学院)

1) 物質の色と「光と物質の相互作用」;線形分光の復習(1~2回)
  • 1-1 誘電関数と光学定数
  • 1-2 絶縁体と金属
  • 1-3 磁気光学
2) 非線形光学と波長変換(~2回)
  • 2-1 非線形感受率と空間反転対称性
  • 2-2 第二高調波発生、光パラメトリック増幅
  • 2-3 位相整合と複屈折
  • 2-4 密度行列とダブルファインマンダイアグラムによる記述
3)極短パルスレーザーと超高速分光(~3回)
  • 3-1 超短パルス光の基本的性質;スペクトル形状とパルスの時間プロファイル
  • 3-2 短パルス発生と伝播;モードロック、パラメトリック増幅、自己位相変調、キャリア-エンベロープ位相
  • 3-3 超高速分光の実際
    ・いろいろな時間分解測定法; ポンププローブ過渡反射/吸収分光、テラヘルツ時間領域分光、コヒーレント分光.....)
    ・半導体超格子、イオン結晶、金属におけるキャリアダイナミクスと電子-格子相互作用
4)強相関電子系、超伝導体における超高速現象、光強電場効果(2~3回)
  • 4-1 強相関電子系の光誘起相転移
  • 4-2 光強電場効果、高次高調波発生

集中講義「極短パルス光で見る、操る光と物質の相互作用」

1)物質の色(線形光学)
  • a)双極子放射、マックスウェル方程式、光学定数
  • b)固体の電子状態:分子軌道法と強束縛近似
2)非線形光学と波長変換
  • a)非線形分極テンソル
  • b)波長変換と位相整合
  • c)複屈折
  • d)非線形光学の古典描像
  • e)密度行列とダブルファインマンダイアグラム
3)フェムト秒パルスの発生と超高速分光
  • a)位相シフト、群速度、群速度分散
  • b)超短パルスの発生法: モードロック、パラメトリック増幅、自己位相変調
  • c)キャリアエンベロープ位相
  • d)超短パルス光を用いた物性測定
  • e)様々な物質における超高速分光
4)光誘起相転移と光強電場効果
  • a)光誘起相転移の超高速分光
  • b)光強電場効果とアト秒電子ダイナミクス

集中講義「超高速分光の基礎と応用」

0.超高速の世界を覗く  ~なにがみえるのか?
  • 光と物質の相互作用
  • 色と電子の運動;なぜ物質の色は異なるのか
  • 誘電関数とローレンツモデル
  • 光、今と昔
  • 超短パルスレーザー
  • 超短パルスレーザーと物質科学
  • 時間分解と周波数分解 古典論と量子論
  • なぜ速いことはいいことなのか? 超高速現象の応用
1.なぜ光パルスなのか?
  • ベースバンドパルス
  • 光パルス(キャリアとエンベロープ)
2.光パルスの発生と取り扱い
    (復習) レーザーの原理と仕組み
  • フェムト秒パルスをつくる: モードロック
  • 分散媒質と位相シフト
  • 位相シフトの展開係数としての群遅延時間と群速度分散
  • 実際の分散媒質(ガラス、非線形結晶)によるパルスの位相変調
  • 非線形光学効果による波長変換
    • 第二高調波発生
    • パラメトリック増幅
    • 自己位相変調
    • 広帯域パラメトリック増幅
  • パルス圧縮 (プリズム対、回折格子対、形状可変鏡)
  • パルス計測 (自己相関とFROG)
3.超高速現象の測定技術
  • 発光分光
  • 過渡透過(反射)分光
  • 時間分解ラマン分光
  • テラヘルツ時間領域分光
    (・その他(XRD, 光電子分光))
4.光誘起相転移の超高速ダイナミクス
  • 光誘起相転移ってなに?;マンガン酸化物とスピンクロスオーバー錯体
  • フェムト秒分光によるアプローチの始まり;中性ーイオン性転移
  • 光で電荷のギャップをつぶす;光モット転移
  • 有機物質の金属化
  • 光誘起相転移のはじめの瞬間が見たい!